2024年、町田ゼルビアはJ1の舞台に初参戦しましたが、初挑戦ながらも首位を走っています。
そんな良い成績を収めている町田ゼルビア。
以前から批判的な意見をする方々が多いのは知っていますか?
J1昇格後、即J1優勝したチームは2011年の柏レイソルただ1チームですが、J1初参戦のチームでは前例がありません。
今年は町田ゼルビアがその歴史に名を刻むかもしれないのに、なぜ批判があるのでしょうか?
この記事を読んで理解できるかと思いますので、ぜひ最後までご覧ください!
町田ゼルビアはスポンサーの力がある
町田ゼルビアのメインスポンサーは株式会社サイバーエージェント(以下CA)という、ゲームや広告、メディア事業などのさまざまな事業を展開する大手企業です。
そのサイバーエージェントが2018年に町田ゼルビアの経営権を取得し、さらに2022年には会社関係者がCEOになったのをきっかけに、チームが強くなっていきました。
ちなみに、2023年にリーグ優勝を果たした「ヴィッセル神戸」の経営権はスポンサーである「楽天」が取得しています。
・Cygames(グラブル、ウマ娘など)がグループ企業にある
・AbemaTVを開局(株式会社AbemaTV)
余談ですが、あのdocomoやEPSONといった大企業がメインスポンサーなのに、現在J3で戦っているチームもあります。(どちらのチームも過去にJ1でシーズンを戦ったことはあります)
大手スポンサーがあってもどれだけ力になってくれるかは企業次第というところでしょうか…
金満クラブへと変化する
町田ゼルビアはここ数年で大きく動きました。
・ミッチェルデューク(現役オーストラリア代表FW)
・エリキ(J1チーム横浜FMで41試合21得点を取ったFW)
・チャンミンギュ(千葉で3シーズン、レギュラーとして活躍した若手DF)
・下田北斗(J2大分のレギュラーボランチ)
・鈴木準弥(のちにロングスロー戦術のキーパーソンになる選手)
※シーズン途中で加入
・バスケスバイロン(首位町田が2位東京Vのレギュラーを獲得した)
※シーズン途中で加入
・オセフン(身長193cmの韓国人FW : のちにA代表へ選出)
・昌子源(元日本代表DF)
・谷晃生(若手のGK : 約1年3か月ぶりに日本代表選出)
・ナサンホ(韓国代表経験のあるFW)
・ドレシェヴィッチ(オランダリーグで活躍した現役コソボ代表DF)
・相馬勇紀(2022カタールW杯メンバーMF・FW)
・白崎凌兵(複数ポジションをこなせる万能型MF・FW)
・杉岡大暉(日本代表経験のあるDF・MF)
2022年、2023年、さらに首位を走る2024年の途中にも多くの選手を獲得。
2024年途中加入の上記3選手はどの方も試合経験が豊富で、複数ポジションをこなせる選手を多く獲得しました。
何より、他クラブからレギュラーの引き抜きがあったとはいえ、すぐに代わりの選手――むしろその選手以上の選手を獲得するんですから、批判はありますよね……
町田ゼルビアはなぜ嫌われる?
ロングスロー
町田ゼルビアは相手ゴールに近いタッチラインで必ずといっていいほど、「ロングスロー」でゴール前までボールを入れてきます。
これは黒田監督が青森山田高校の監督をしていた頃からの戦術の一つですが、もちろんほかのチームもロングスローを行うことも少なくありません。
さらに、ゴール前には背の高い選手が多くいるため、ロングスローも町田の強みです。
批判の理由は投げれる選手が2人いるから?
批判の原因はとして考えられるのは、ロングスローができる選手はスタメンにせいぜい一人いれば良いほうですが、町田ゼルビアの選手では鈴木準弥(6番)選手、林幸多郎(26番)選手の両サイドバックの2人がロングスローを使います。
鈴木準弥選手は過去に、素早くリスタートでロングスローをするという「クイックロングスロー」という離れ業を成し遂げ、ゴールへと結びつけました。
ロングスローが投げられる選手が多いというよりも、ロングスローからの得点率が他チームより高いからでしょうか?
ちなみに、J2のブラウブリッツ秋田というチームでは、3選手がロングスローを投げれることを確認しました。
なぜ批判されないのかは……現在のブラウブリッツ秋田を調べればわかるかと思います。
ラフプレー
普段の町田ゼルビア
2023年はVAR未導入のJ2リーグを戦いましたが、2024年はVARのあるJ1で戦っています。
それでも首位を走っているのですが、どうなんでしょう…?
(悪質とはいえ、現在のVAR介入条件は「得点かどうか」「退場かどうか」「PKかどうか」「カードの人間違い」の4種のため、VARが使われないという条件に問題があるかと)
新潟戦
このボール関係ないとこはファールにならんのか。
— ぴかゑ (@pikawye) June 1, 2024
怪我なくてよかった pic.twitter.com/CTudDyDKfK
出典元 : Twitter(X)
6月に行われた町田vs新潟戦でのできごと。
町田の藤尾選手がボールとは関係のないところで相手選手に勢いよくタックルを仕掛けます。
このプレーに審判はカードどころかファウル(反則)すらありませんでした。
ちなみに、似たような選手で鹿島アントラーズの鈴木優磨という、得点力のあるFWで海外でも活躍した選手がいますが、素行の悪さから、一度もA代表には呼ばれていません。
パリ五輪に出場して活躍しましたが、藤尾選手もこのまま同じようなスタイルでいけば、日本代表(A代表)に呼ばれることはないかもしれません。
引き分けでも時間稼ぎをする
試合終了間際、勝っているチームが試合時間を進めようとボールを保持(キープ)したり、リスタートが遅かったり、少しぶつかっただけで大袈裟に痛がったりとさまざまなことをしてきます。
これはどのチームも勝っているチームがすることで、引き分けでするようなチームはせいぜい格下のチームがすることでしょう。
ですが、町田ゼルビアは相手にフラストレーションをためるため、前半でもしっかりと時間を使うプレーをしてきます。
それが批判される原因の一つとのこと。
バスケスバイロン選手の移籍騒動
2023年シーズン途中、首位を走る町田ゼルビアは2位の東京ヴェルディ1969から、レギュラーを務めるバスケスバイロン選手を獲得します。
青森山田高校時代の恩師――黒田監督率いる町田ゼルビアへの加入は、シーズン途中で同カテゴリのレギュラー、ましてやお互いJ1昇格争いをしているチームなだけあって、批判は多くありました。
町田ゼルビアとチャカチャカの関係性
チャカチャカの元ネタとは?
チャカチャカとは、町田ゼルビア監督の黒田監督が、全国高校サッカー選手権で青森山田高校がV奪還をしたときのコメント(力説)が元ネタです。
「あんまり足元でチャカチャカやって、何本パスをつないで点数を取るというサッカーが果たしてサッカーかと言った時に、やっぱり日本の〝甘さ〟というのはそこにあるわけで。ありとあらゆる方法で得点を取りにいく、そして、ありとあらゆる方法でゴールをしっかりと死守していくという」。不必要にパスをまわしたり時間をかけすぎるという日本サッカーの〝悪癖〟を指摘しつつ、攻守が一体となったスピード感あふれるスタイルの重要性を熱弁した。
引用 : J1町田の黒田監督が日本サッカーの〝弱点〟をズバリ 日本サッカー界への提言 | 東スポWEB
現在の日本代表の弱点について、黒田監督が力説をしたときに、
「ボールを保持する、(チーム内で)パスを回す=チャカチャカ」
と表現したのが話題になりました。
チャカチャカ=アルビレックス新潟と言われる理由
町田ゼルビアと同じJ1リーグで戦うアルビレックス新潟というチームがあります。
新潟はアルベル前監督のボールを保持して戦う戦術がハマり、その戦術を受け継いだ現監督の松橋監督によってJ1昇格、昇格初年度(2023年)J1で10位という成績を上げました。
2024年も1試合のボール保持率はJ1チームでトップなため、
「チャカチャカ王=アルビレックス新潟」
という表現を使う方がでてきました。
チャカチャカ王に負けた
2024年6月1日、炎上するきっかけとなった出来事が起こります。
ボール保持率リーグ1位のチャカチャカ王、アルビレックス新潟とJリーグで対戦し、1-3で敗れました。
シーズン前にボールを保持することを批判した黒田監督が、ボール保持率リーグ1位のアルビレックス新潟に負けてしまい、Twitter(X)やYouTubeなどで炎上しました。
ちなみに、この試合のアルビレックス新潟は得意のボール保持(チャカチャカ)をしていたとか、していなかったとか。逆に相手がチャカチャカしていたとか。
新潟は町田相手に普段通りではなかったため、町田は困惑して負けたのかもしれません。
敗因は?
町田ゼルビア、良いチームでした。
— やすだ (@Cent_1657) June 1, 2024
時間を稼ぐ、ラフプレーが多い、など様々な声を聞きますが、短いスローインでのリスタートや最終ラインでの丁寧な繋ぎなど、全くそんなことなかったです。
僭越ながら次戦以降もお互いスタイルを大切に頑張りましょう!#町田ゼルビア
#albirex
出典元 : Twitter(X)
黒田監督は試合後のコメントで首位チームとしての「気の緩み」が出てしまったと表現しています。
黒田監督や上記ポストからも分かる通り、(あの批判の多い)普段の町田ゼルビアらしさが出ていなかったのではと感じました。
実際に試合を見ていた方によると、外国籍FWの選手もそれほど脅威に感じなかった、という方も。
まとめ
いかがでしたか?
最初から結果がわかるような試合は見ても面白くありません。
サッカーをはじめ、スポーツは何が起きるかわからないからこそ、面白いんです。
どんなに良い戦術でも、事前に対策済みであれば結果が変わり、いつまでも良い結果になるとは限りません。
町田ゼルビアの今後の展開が楽しみですね!
最後までご覧いただきありがとうございました。