★この記事を読むメリット
1.用途地域について、実話でだいたいの意味が分かる。
2.用途地域の調べ方、それぞれの種類や違いが理解できる。
3.将来、自分の住む地域にどんな建物が建つ可能性があるか、知ることができる。
実話
この話は私が前職で通勤時に通っていた道のことでした。
その道は学生時代も何度か通ったことのある道で、大通りから少し逸れた道です。
車通りは少なく、住宅や工場もそこそこ、小学生が通学している姿は見ていました。
ある日、その通り沿いに、いかがわしい建物ができました。
詳しくは言えませんが、子供の教育に良くない建物です。
その建物が建てられてすぐ、その敷地の周りには立て札がたくさん立っていたのを覚えています。
「〇〇建設反対!」
「子供に健全な教育を」
そのような立て札が十本以上も立っていました。
住民の姿を確認したことはありませんが、きっと通学路として利用する子供の親、または地域住民の方が反対運動をしていたようです。
ああ、こういうデモみたいのって自分の近くにもあるんだなぁーと他人事のように私は通っていました。
あれから十年近く経った今、ふと気になって、googleのストリートビューで調べてみると、その建物はあり、立て札はすべて撤去されていました。(そのビュー画像は2022年10月撮影でした)
地域にそぐわない建物の建設を地域住民がどれだけ反対しても、市の決めた都市計画法の地域(用途地域)のルールに沿っているので、いかがわしい建物を建てた側は悪くない。
その土地を調べると、「準工業地域」という地域でした。
さらに、他のいかがわしい建物が並ぶ地域を調べても、「準工業地域」でした。
ですが、この地域が特別悪いわけではないです。
皆さんもこのようにならないように用途地域の知識を入れておきましょう。
用途地域をなるべく分かりやすく記事にまとめましたので、是非ご覧ください。
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用途地域とは
用途地域とは、用途によって建築制限のある地域をいいます。
建物が建てられる土地のほとんどに「都市計画」というものがあり、「都市計画法」によってさまざまな規定が定められています。
用途地域の調べ方
一番簡単な方法は検索エンジンから、「〇〇市 用途地域図」「〇〇市 都市計画図」と検索すればトップに出てくるはずです。
もしも見つからなければ、用途地域は各都道府県、または各市町村のホームページに書いてあります。
「環境」または「都市計画」などの項目の所から、「都市計画情報の公開」「用途地域」などから飛ぶと、用途地域の地図を閲覧することができます。
自分が住む予定の地域や、自分の実家、あの建物の用途地域を調べたりするだけで、「なるほど」と思うようなこともあり、地味に楽しいです。(個人的な感想)
用途地域の種類
① 建物の種類の制限
② 建物の高さ制限
③ 床面積の制限
以上3点の違いによって、その地域は大きく13種類の地域に分けられています。
ただ家を建てるだけなのに用途地域全てなんて覚えてられない!
と思われるかもしれませんが、
この記事の書き始めの通り、用途地域をよく知らず、生活に支障が出る建物が近所に建っても文句は言えますが、反映されるのは厳しいです。
用途地域はまず、大きく3つの地域に区分されます。
「住居系地域」
「商業系地域」
「工業系地域」
その3つの地域はさらに13種類に細かく分類されています。
①第一種低層住居専用地域
②第二種低層住居専用地域
③第一種中高層住居専用地域
④第二種中高層住居専用地域
⑤第一種住居地域
⑥第二種住居地域
⑦準住居地域
⑧田園住居地域
⑨近隣商業地域
⑩商業地域
⑪準工業地域
⑫工業地域
⑬工業専用地域
これら13種類はそれぞれ、
①~⑧ : 住居系地域
⑨、⑩ : 商業系地域
⑪~⑬ : 工業系地域
と、分けられます。
※⑧の田園住居地域は平成30年4月から導入された用途地域のため、用途地域が12種類以下に書かれている他サイトの記事は古い記事です。(その他内容に変化はありません)
各用途地域の違い
家を建てるだけなのにすべてを覚えたくないと思いますので、上記の13種の用途地域の、主に住居に関わる、1~8、11の地域について簡潔に見ていきましょう。
第一種低層住居専用地域
- 広さ : 床面積150㎡以下
- 高さ : 10mまたは12mまで(2階や3階建てのアパートやマンションなら場合によって建てられる)
- 建てられるもの : 自宅兼店舗、小中学校、保育園、幼稚園、診療所、派出所などの小規模の建物。
- メリット : 閑静な住宅街になりやすい
- デメリット : 住居が多いため、利便性があまり良くない
第二種低層住居専用地域
- 第一種低層住居専用地域との違い
⇒第一種の建てられるもの+小規模の店舗や飲食店の建設が可能。 - メリット、デメリットともに第一種の正反対。利便性は良いが住宅街としては賑やかなほう。
第一種中高層住居専用地域
- 広さ : 床面積500㎡以下
- 高さ : 各市町村によって異なる。
- 建てられるもの : 大きなマンション、図書館、病院、大学、警察署、消防署など
- メリット : 大きな遊戯施設は建築不可のため、わりと静かな環境になりやすい。
- デメリット : 建てられるものの通り、昼夜問わず緊急車両が近くを度々通ることもある。
第二種中高層住居専用地域
- 広さ : 床面積1500㎡以下
- 高さ : 各市町村によって異なる。
- 建てられるもの : 遊戯施設、ショッピングモール、工場など
- デメリット : 第一種よりも建てられるものの種類が多いため、第一種よりも騒がしくなる。
第一種住居地域
- 広さ : 床面積3000㎡以下
- 建てられるもの : 事務所、スーパー、ホテルなど
- デメリット : 高さ制限が住居専用地域よりも緩いため、高い建物が建ちやすい。
第二種住居地域
- 広さ : 床面積10000㎡以下
- 建てられるもの : パチンコ店、カラオケボックスなど
- メリット : 利便性が良い
- デメリット : 騒がしくなりやすい
準住居地域
- 広さ : 床面積10000㎡以下
- 建てられるもの : 利便性重視の建物
- デメリット : 騒音、悪臭、採光に悩まされる可能性がある。
田園住居地域
- 広さ : 床面積500㎡以下
※田園住居地域、または周辺地域で生産された農産物の販売や、それに関わる販売、加工をする店舗、または飲食店の場合 - 高さ : 10mまたは12mまで
- 主に生産緑地の宅地化を防ぐために導入された地域と言われている。
準工業地域
- 住居や工場の他に、レジャー施設、パチンコ店、キャバクラなど、ほとんどの建物が建てられる。
- 危険性の高い建物、環境悪化が著しい建物、危険物貯蔵倉庫、風俗店は建てられない。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
私の住んでいる地域も実は「準工業地域」です。
ただ、周囲は閑静な住宅街で、この近辺にいかがわしい建物は立たないだろう、と思います。
その用途地域に家を建てることで、今後、自分の住む地域に影響が出てしまう可能性のある建物が建つかもしれない、ということを知っておいてください。
その他用途地域に関しましては、今後、追加していけたらと思います。
もし、土地を探している方はぜひ、「用途地域」の項目について必ず確認するようにしてください。
「準防火地域」「防火地域」につきましては今後、記事にする予定です。(未定)
参考にさせていただいた記事はこちら↓